不動産登記は、わたしたちの大切な財産である土地や建物の所在、面積等の物理的な状況はもとより、所有権や担保権等の権利を登記簿に記載して公示することにより、国民の不動産取引の安全に寄与する重要な制度です。
■建物を新築した場合
■不動産(土地・建物)を売買、贈与、相続した場合
■不動産(土地・建物)に住宅ローンなどのために 担保をつけた場合、また、担保を抹消する場合 |
■一般的な不動産取引の例
不動産登記における司法書士の役割として、我々の日常生活における一般的な不動産取引を例に出してみましょう。
一般的に不動産の売買が行われる際には、売主と買主、そして金融機関など第三者の存在があり、実に多くの権利関係が存在しております。
たとえば、売主(前所有者)の不動産にはローン返済にともなう抵当権等の担保権が設定されていることが多く、買主(新所有者)としてはその担保権を抹消してからでないと通常は当該不動産を購入したいとは思わないでしょう。
そしてまた、買主がローンを利用して当該不動産を購入する場合には、新たな担保権者である銀行等も、他の担保が設定されている不動産への融資には融資金額等の制限が多くなるものです。
しかし、売主としては通常は当該不動産を売却した代金でローンの支払をし、担保権を抹消したいと考えます。
ここに取引の順序に矛盾が生じることになります。
買主としては売買の前提として担保権の抹消を希望しますし、売主としては、ローンの支払による担保権の抹消は売買が成立し、売買代金得た後に行いたいと希望するわけであります。
そこで、この取引順序の矛盾を解消するために、我々司法書士は当事者の代理人として取引(決済)の場に立会い、買主から売主への売買代金(融資金)の移動、そして売主の担保権者である銀行等にローンの支払としての弁済が行われたことを確認した上で、その権利関係を登記簿に公示するために
@売主の担保権抹消登記、
A売主から買主への所有権移転登記、
B買主への新たな担保権設定登記
を同時に行うことになります。
このように、司法書士は不動産取引や相続等、不動産をめぐる様々な権利変動について、登記に関する手続の専門家として国民の権利保護に寄与しているのであります。
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