■ 貸金業規制法が改正されました
主な改正法による規制には、@「金利規制」、A「総量規制」があります。
@の「金利規制」とは、出資法の上限金利(年29.2%)を利息制限法の上限金利の水準(年20%)まで引き下げ、貸金業規制法43条の「みなし弁済」制度を廃止(グレーゾーン金利の撤廃)する内容となっています。
利息制限法所定の制限利率(15%〜20%)と出資法所定の上限利率(20%)の間の金利での貸付けについては、行政処分の対象とし、出資法所定の上限利率(20%)を超えるものは従来同様に刑事罰の対象としました。
Aの「総量規制」としては、指定信用情報機関制度を創設し、1社で50万円、又は他社と合わせて100万円を超える貸付けを行う場合には、源泉徴収票等の提出を受けることを義務付け、年収等の3分の1を超える貸付けを原則として禁止しています。また、これらに違反する業者には行政処分や刑罰を科しています。
■ 「グレーゾーン金利」とは?「グレーゾーン金利」とは利息制限法で定める上限金利と出資法で定める上限金利との中間の部分に当たる金利のことです(上記表参照)。CM等で有名な消費者金業者を始めほとんどの貸金業者が、この利息制限法の上限利率をはるかに超える高金利で融資をしていました。また、利息制限法の他に出資法という法律があり、この法律では上限利率を年29.2%としています。
利息制限法は強行規定ではありますが罰則がありません。一方、出資法の上限利率を超えた場合は刑事罰の対象になります。つまり、「グレーゾーン金利」とは利息制限法の上限金利を超えた違法な金利(みなし弁済要件を満たさない場合)ではあるが、出資法の上限金利を超えないため罰することができないという、非常に曖昧な白黒がはっきりしない範囲(グレーゾーン)の金利ということになります。
■ 「過払金」とは?
「過払金」とは、簡単に言えば、払う必要のなっかたお金を金融業者に対して払い過ぎていたお金のことです。
前述の通り、みなし弁済の要件を満たさない金融業者(ほぼ全ての消費者金融業者)は結果的に「グレーゾーン金利」分を違法に受け取っていたことになります。罰則がなくても、法律上は無効な利息であることには変わりがありません。利息制限法の上限利息を超えて利息を支払った場合には、その超過利息分を本来弁済に回せたであろう元本に充当させることにより、元本を減らしていくことになります。その結果、ある時点で元本が完済され、その後の返済は本来返済する必要の無いお金(過払金)となります。その結果、金融業者は不当に利得を得ていることになりますので、民法上の不当利得返還請求権が発生し、金融業者に対して、過払金の返還請求が可能になるわけです。
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